2015年2月4日水曜日

悟りの窓



ヨガの学びを深めて行くと必ず出会う教えがあります。"ありのままの自分と向き合いましょう" ”ありのままの自分になりましょう" 的なお話は少しの間でもヨガの練習を続けて来た方は聞いた事があるでしょう。

一見とてもシンプルな事の様に思えますが、ありのままの自分とは一体誰なのでしょうか。私達は沢山の知恵をつけ大人になりますが、その過程で沢山の色のついたフィルターを通して自分を、物事を、他者を、人生を視る様になっています。

誰と関わるかによって様々な方法で自分を演出したり、作ったり、いろいろな仮面をかぶり、人と関わっている事もあるでしょう。大人になり、新しい出会いや人間関係を築く時、この人とつきあう事でどんなメリットがあるか、どれだけ特をするかで計算したり、人によって態度を変えたり。名声も地位も富も関係なく、ありのままに相手を受け入れる事ってなかなか出来なくなります。


自分を演出して、作って行く内に、演出なしの、本来の自分から遠ざかり、自分の事さえも "ジャッジ" や "裁く事" なしで視れなくなってしまいます。人生すべてがうまく行っている時だけがハッピーで、何か1つでもうまく行っていなければハッピーだと感じられなかったり。




パタンジャリのヨガ教典には kleshas と言う、苦悩には5つの原因、元があると書かれています。5つの苦悩の種、kleshas の語源は色が付いていると言う意味の klishta です。苦悩の原因となるのは私達がすべてを色付きのフィルターを通して判断してしまう事に関連しています。

作ったり、なんの演出も必要ない本来の自分に、ありのままの自分に満足するにはまず、物事を視る時、自分や他者を判断する時にその考えに "色が付いている=klishita" か "色がついていない = aklishita" と識別していく事から始めます。一枚、一枚仮面をはがし、いらない物を脱ぎ捨てて行き、苦悩から解放されるプロセス。

私達が犬や猫、ペットと過ごしていて心が和むのは、私達の富、名声、学歴、どれだけの事をやってきたか、これだけのキァリアがある、誰々と友達である、事などはペットからしたらどうでもいい事。自分を作ったり、演出したりしなくても、犬や猫はありのままに私達を受け入れてくれるからです。作らず、ただそこに在る事だけで犬や猫は喜んでくれるからです。


ヨガは私達が長い時間をかけて、作り上げた様々な仮面、色つきのフィルター、心の鏡にかかったほこりや曇りを取り除いて行くワークでもあります。禅のマンダラ、円形の悟りの窓は色付きのフイルターをはずし、ありのままに物事を、自分を、他者を人生を視る力を象徴しています。

ヨガの練習はマインドの様々なストーリーを静めてくれます。精神が穏やかになり、その静けさの根源となる中心とのつながりが強くなる事で、他者に受け入れてもらうために自分を作ったり、演出しなくても良いと言う事が視えてきます。リアルな自分になる事で世の中の全員に好かれないかもしれませんが。リアルな人達だけが周りに残る事は間違いないし、人生は短いのだからフェークな人達とフェークなつきあいをするよりは、ありのままの自分を受け入れてくれるリアルな人達と過ごし、本来の自分に満足する事で充実した意味のある人生になるはずです。KEEP IT REAL BE YOURSELF!

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