2018年11月26日月曜日

不快な人のヨギ的対処法




『恐怖とはこの家の一番安価な部屋だ
汚く、安い部屋に住むのではなく
あなたにはもっと豊かな生活をしてほしい』

詩人・ハフィス




ヨガを長く続けて人生が変化したと多くのヨガ実践者は言います。その変化とは世の中の人々がみんな良い人に変化し、何1つ悪いことが起こらなくなるという事ではありません。どれだけヨガの練習を深めても外側の世界はそのままです。周りの、この世の中の良い人も、悪人や不快な人々もそのまま在り続けます。


ヨガは他者を変えるための方法ではなく、自分を変えるための方法です。革命的変化は内側でおこります。今まで気になっていた事がさほど気にならなくなったり、全てに対して反応・大きなリアクションをしなくて済むようになるのです。外側の状況を自分で変える事には制限があり、外側の状況をコントロールすることはできませんが、内側の状態をコントロールする事は可能です。


他者との関わり、コミュニケーションは私たちの心身の健康に直接影響します。多くの人々は外側の状況、他社の行動、言動に反応・リアクションし、一喜一憂しながら生き、他者の言動、行動、外側の状況に自分の内側の状態を定めさせています。






外側の状況や他者の意をコントロールできませんが、内側の状態、気分、感情を自分でコントロールし、どんな感情、精神状態を持続するかを自分自身で決める事は可能です。



朝、清々しい気分で目が覚めて、上機嫌で外出して、駅で誰かと肩がぶつかった、出社したら誰かの不快な一言が原因でその日、一日が台無しになった、この様な経験をみんな一度はした事があると思います。



他社の不快な言動や行動で自分の内側の状態が決まってしまう。その日1日が台無しになるだけではなく、1週間が、楽しみにしていたイベントが旅行が台無しになるだけではなく、時には他社の言動、行動を何年、何十年と抱えながら人生を生きてしまうこともあります。


自分の内側の状態を他者の意、外側のコントロールできない状況に定めさせてしまう事ほどパワーレスなことはないと思います。


ヨガのパワフルなプラクティスを続けると内側の状態を意識し、コントロールする事が可能になってきます。自分で自分の内側の状態、何を感じ、どんな感情の状態を持続するかを自分で選択する事ができる、これほどパワフルな力はないと思います。



『安定しているマインドは幸せと平和の基盤である。ヨガがその状態へと導いてくれる』

クリシュナマチャリア



ネガティブな状況、不快な人を全て避けながら生きることは不可能ですが、不快な人の言動、行動によって自分もその不快な人の苦しみの道ずれにされなくて済む、パワーをヨガは育んでくれます。



わざわざ人を傷つけるようなチックっとした一言を言わなければ済まない、その人の苦しみ、それを慈悲を持って見てあげると、今まではグサッと心に刺さっていたかもしれない嫌味な一言が、『この人の中には恐怖が沢山あるんだな、とっても苦しんでいるんだな』って傍観できるようになってきます。



その様に傍観できる様になると、それに反応し、傷つける言葉や言動で言い返し、その人の苦しみに道連れにされてしまう事がなくなります。その瞬間、少しはイラッとくるかもしれませんが、深呼吸してマントラを唱えながら、その人の苦しみが軽減する様、ポジティブなバイブレーションを送ってあげる祈りを心の中で捧げます。



真の力=自分の内側の状態を他者に定めさせない、常にどんな状況にもどんな不快な人にも自分の平穏な心の状態を奪われない様な平常心をヨガと言います。






『アルジュナよ、執着を捨て、成功と不成功を平等(同一)のものと見て、ヨーガに立脚して諸々の行為をせよ。ヨーガは平等の境地であると言われる』


バガヴァッド・ギーター 2.48




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