去年末から2012年はスタートから世界のヨガワールドにとっては大忙しで、事件と論争続きでした。ルルレモンの創立者で既に辞任した元CEOである
チップ・ウイルソンに関しての論争、強欲で非道徳的な会社運営、カルト的なセールス方法、スウエットショップでの労働等々。
ルルレモンは "ヨガ的" でモラル的な経営モットーが売りだったにも関わらず、ウイルソンの経営方針や経営道徳が顧客側に発信している事と正反対だった事が論争となっていました。
そして今年の始めには世界のヨガワールドで大騒ぎになったニューヨークタイムズのヨガと怪我に関する記事。この興奮も冷めないまま、2月3日にアヌサラヨガとAnusara Inc. の創立者であるジョン・フレンドに対しての衝撃的な疑惑がヨガブログによって伝えられました。(ジョン・フレンドの告発サイトを勇気を持って伝えたヨガブログ Yoga Dork にリスペクト。)
ジョン・フレンドのワークショップは海外で何度か参加した事がある位で、私はアヌサラヨガの生徒でも実践者でもないのですが、ニューヨークで一番好きな先生が元アヌサラヨガのシニアティーチャーと言う事もあって、他のアヌサラヨガの先生のクラスには勉強のために、数えられない位参加しています。特別にジョン・フレンドやアヌサラヨガにピンと響くものはなかったのですが、基本的なリスペクトはジョン・フレンドに対してあったし、現代ヨガワールドで、ハタヨガ全般を代表するスピリチュアル・リーダーとして一目置いていました。
私の
ツイッター (
& here) をフォローしてくれている方達は知っていると思いますが、Yoga Dork がこの件を追い始めてから全てのアップデートを読み、事実解明や状況の進展を追い続けています。なぜならこれは軽く流せる、ただのスキャンダルではなく、ヨガの先生とは?ヨガコミュニティーや現代のヨガティーチャー、ヨガインストラクターをロックスターやアイドル化してしまう現象、を根本的に根底から考え直さなければいけない、ヨガワールド全体にとっての wake up call 目覚まし音だからです。
現代のハタヨガを代表するマスター・ティーチャーとしてヨガワールドのトップに立っていた人、スピリチュアル・リーダーとして何十万人と言う生徒達を指導して来た人の私生活、会社経営方針が自分の説いている道徳的スタンダートに適してなかったこと。許してあげましょうと軽く流せる問題ではない事は明らかです。
残念な事に日本にはファッションでのヨガ以外をカバーするヨガのウェブマガジンやメディア・アウトレットがない事から、この事についてはまだほとんどの人たちが知らないままだと思います。日本にも大勢ジョン・フレンドの生徒、アヌサラヨガ実践者がいる事、そしてこれからアヌサラヨガを始めるかもしれない人達がいる事でしょう。
アヌサラヨガ実践者ではないし、日本にもアヌサラヨガの汚名で運営に影響がでるヨガスタジオや認定ティーチャーもいるだろうと思い、あえてブログでのコメントは控えていました。この事件をカバーしているウェブサイトやブログは全て英語です。殆どの人たちが英語だと真実がわからないままだと思い、ヨガワールド全体に関する問題&同じヨガワールドに生きるヨガティーチャーとして、勇気を振り絞って、この事件の真相を伝えるべきだと思いました。
ゴシップ、ジョン・フレンドやアヌサラヨガを中傷するために書いている訳ではないので、そこの所をくれぐれもご理解ください。
すでに閉鎖しているジョン・フレンドの告発サイトにはジョン・フレンドが複数の生徒達、社員と性的関係をもっていて、中には不倫、家庭崩壊までした事を実名入りのスカイプ会話や写真、手紙付きで出ていました。女子生徒と女子社員で魔術集会をしていて、男はジョン一人、グループの女子メンバー(生徒、社員)と魔術的な性行為をしていた、違法行為である社員の年金払いをストップした事、違法麻薬を常習し、社員に麻薬のデリバリーを受け取らせていた事など。サイトに添付されていたジョンの手紙にはアヌサラヨガの哲学はジョンの宗教である魔術崇拝宗教の理念と同等の物だと書いてありました。
去年末から今年の始めにかけて、アヌサラヨガをジョンと一緒に育てて来たシニア・ティーチャー達が離脱し始めました。事件が明るみに出る前は離脱した先生方はジョンの闇、噂に関する事は一切触れずにいました。
疑惑が事実であると解明され始めたここ数日で、10年以上ジョンとアヌサラヨガを牽引してきたシニア・ティーチャー達が次々と離脱し始め、ここ数日で60−75人の認定ティーチャーが脱退している様です。
今までは沈黙していた認定ティーチャー達も次々と声明を発表しています。そして次から次へとジョン・フレンドの強欲な経営方針や説いている教えと本人のライフスタイルがミス・アラインメントだった事、アヌサラヨガの哲学の柱とされている Shiva Shakti タントラは正統な伝統からのものではく、ジョンが作り出したもの、など明らかになっています。
中でもアヌサラヨガのゴッドファーザー的な存在、ダグラス・ブルック博士の声明、そして日本でも名高いエイミー・イポリティ先生の声明にはディーテールが書かれています。エイミー先生の書いた記事は日本のアヌサラ運営者であるヨガスタジオとジョンとのいろいろが書かれているので、日本の生徒達は読んでおいた方がいいでしょう。
他問題が沢山あります。英語の理解力が優れている人は
Yoga Dork のこのページやタイムラインをフォローする事で状況が把握できるでしょう。
スピリチュアル・リーダーではなくても、周りの友達がこの様な行為をしていたら、幻滅する事だと思います。これがもし、メインストリームのパブリック・フィギュアだったら失脚を免れない出来事。ましてやスピリチャル・リーダー、世界のトップクラスのヨガの先生の行いです。今までマーケティングしてきた事、説いていた事が偽善、何十万人をミス・リードしていたと言うわけですから。
ヨガの生徒みんなが重く受け止め、学ぶ事は沢山あります。私は今年でヨガを教え始めて7年、8年目になります。ヨガティーチャーとしてヨガスタジオ運営者としてヨガ漬けの生活を送っています。その中でもこの事件は一番ショックが大きかったです。エイミー・イポリティさん、許す事ではなく、離脱する事でジョンにこの様な行為を続けさせない事が重要だったと言っています。
ジョン・フレンド一人があれだけの権力を持ってしまい、それを悪用してしまった事、グルとして崇められ、彼の言う事が絶対で誰も否定できなかった事。愛とshri と grace に捕われ、闇の部分を否定し、目を向けなかった先生達、生徒達。
事件が明るみに出てからジョン・フレンドが出した声明文には "今は自分の闇、影を掃除する時です" 的な事を書いてましたが、今更!って思いました。私のヨガの師とのトレーニング(ヨガスタジオでのトレーニングもオンラインでのトレーニングも)、常にある大きなテーマが影の掃除です。トレーニングを通して自分の影の部分を否定せず、その掃除の仕方を教えてくれます。これこそヨガなのです。
地球レベルでの意識の目覚めが起きている、必要とされている2012年、闇は隠しておけない時代になっているのは確かですね。この事件でヨガワールドが学ぶべき事、見直さないといけないのは、インターネット、情報社会の中、"自分マーケティング" が過剰になりすぎてしまい、その結果、ヨガインストラクターがロックスター、アイドル化されてしまっている事。ジョン・フレンドのケースの様な、マーケティングが作り出す、ヨガインストラクターの表の顔と私生活が整列、アラインメントが取れていないこと。神聖な装いでヨガを教えていても、家に帰れば、お酒が欠かせないライフスタイル。
ヨガの生徒として、ヨガの先生として筋骨格系よりも、何よりも、まずは先に整列しなければいけないのは、ヨガマットの上とヨガマットの外、(私生活)のアラインメント。ヨガマットの上、ヨガクラスの中だけでヤマス、ニヤマス、道徳を説いて、ヨガクラスを一歩出た所で、私生活が "ヨガの教え”と整列してなければ、ヨガ実践者ではないのです。
もちろん、完璧な人はいないし、出家僧の様に生きなければいけないと言うわけではなく、ヨガクラスの外での行ないをヨガクラスでの自分に反映させて行く事がヨガそのものなのです。ヨガクラスの外での私生活でセルフ・コントロールできていなければ、お酒、麻薬、セックス、何かに対して依存しているのであれば、あえてヨガを教えなくてもいいと思います。ヨガの教えがセルフ・コントロールを説くのはしかるべき理由があるのです、と同時になんでも、かんでも各人に自由を齎せてくれるのであればどうぞ。憎しみ、嫌悪、嫉妬などといった感情への依存も同じです。 今まさに、ヨガインストラクター達が自分のマットの上と外とのアラインメントを見直す良い機会だと思います。
ヨガとはインターネットやメディアが作り出すイルージョン、割り箸の様に細いモデルがルルレモンを来て、"ヨガ的" "都会的" "スタイリッシュ" なライフスタイルを生きてる、私もヨガをやればあの様に、キレイにスタイリッシュなライフスタイルを手に入れられる!的な事とはまったく正反対です。
自分の中の闇、影を否定せず、それととことん向き合っていく、そのプロセスは時には苦しいし、けしてキレイなプロセスではない。"憧れのヨガインストラクター"をアイドル化して、あーなりたいからヨガをやるのではない。メディアやインターネットは一種のイルージョン的な要素がある事を理解し、表面から奥へと旅していく。
今回のケースもジョンの説いた全ては shri と愛とgrace のイルージョンに惑わされジョン・フレンドをロックスター化し、彼の闇の部分に目を背けた結果かなと思います。
真の先生は生徒の光と闇を反映する。生徒は真の先生が外にはいなく自分の中にある事を感じる。先生は自分の真実しか教えられないし、生徒は自分が読んだり、人に聞いたりした事ではなく、直に体感、体験した事だけを信じればいい。
アヌサラヨガを脱退した認定ティーチャーとヨガスタジオのリスト&タイムライン →
Bayshakti
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