2013年4月30日火曜日

”質の悪い陰" を溜め込まないバランス良いヨガ・プラクティス





基本的に座業中心の生活をしている我々現代人、
人間の身体は長時間の座業用にデザインされていないため、慢性的な運動不足になりがちです。1日の間に会社での座業、毎食事の際に座り、乗り物、電車、車、エスカレーターに乗っている時間、家でソファに座りテレビを観ている時間、長い間座っている生活です。そして、これから年を取っていくと、さらに動かない生活になります。ヨガマットの上での様々な(身体、心、魂)トランフオーメション(変容)を感じるためには、ヴィンヤサヨガなどのアクティブなヨガの練習で足腰を鍛え、身体の深部を強化し、柔軟にする事が必要不可欠です。

最近日本では特殊なヨガ文化が根付いている様に思えるのですが、"陰ヨガ"(ポーズを長い間ホールドする練習)と言うヨガ・スタイルが流行っているようです。陰ヨガは身体を駆使する肉体的にハードな仕事、アスリート等のサブ練習として世界のヨガワールドではプラクティスされていて、メイン・プラクティスとして練習する事は進められていません。ヨガのマザーランド、インドではもちろん、現代ヨガの先進国のLAやニューヨークでも"陰ヨガ"のクラスを受けれる所は非常に少ないのです。ヨガカンファレンスで少しオフォーされている位でしょうか。LAで週に百ヨガクラスをオファーしているヨガスタジオでも陰ヨガは週に1回程度、そのクラスの前半はフラダンスで骨盤を動かしてからと言う内容です。

現代ヨガのマスター・ティーチャー達によると、座業中心の生活をしている現代人は、まずはヨガマットの上で足腰を鍛える事、下のチャクラのエネルギーをバランスさせるためには、まずは足・脚からプラーナをフロー、流していく事がとても重要&先決と言います。現代人の総合的な健康(身体、心、魂)維持や進化・成長のため最も効果的な立位ポーズを多くとりながら流れていくヴィンヤサヨガやパワーヨガが世界的に主流になっているのも利にかなっている進化です。


もちろん一日中肉体を駆使しハードな練習を行っているアスリートや工事現場で働いている方などは一日の終わりにパワーヨガ等のアクティブなヨガを練習するエネルギーは残っていないと思います。体力の消耗を防ぐためにも、そのような場合は陰ヨガなどの動かないプラクティスをする方が利にかなっています。


"陰”の生活習慣の傾向が強いオフィス・ワーク中心の現代人の生活、大人だけではなく、近年では子供達も慢性な運動不足と数年前にリサーチが発表されました。外で身体を動かす機会が少なくなり、パソコン、テレビ、ゲームを長時間しているインドアで過ごす傾向が増えています。大人も子供も一日にパソコン、スマホ、テレビを何時間観ているでしょうか。


米国では14歳になるまでに子供達は12000回テレビで殺人のシュミレーション映像を観ていると言う統計があります。米国の統計なのですが、テレビ大国の日本もこの統計はレファレンス・ポイントになると思います。ティーンになるまでにこれだけテレビを観ている現代の子供、大人になってもその習慣は続きます。


日本で近年増えている心の病、うつや引きこもり、メタボ、冷え性、不妊なども運動不足や食生活が原因で"質の悪い陰”が身体に、滞ってしまう事が原因の一つだそうです。プラーナフローのマリア・ガーレ先生に進められた素晴らしい本、東洋医学医でアユルヴェーダのスペシャリストでもある Dr. Claudia Welch の "Balance Your Hormones, Balance Your Life" で筆者は現代女性のホルモンバランスの崩れについて東洋医学とアユルヴェーダの観点から書いています。ほとんどの現代の女性の病、乳がん、骨粗鬆症、不妊もホルモン・バランスが崩れていて、”質の悪い陰ホルモン”を溜め込んでしまっている事が原因と言います。


バランス良い運動や食生活でホルモン・バランスを正せば健康を維持できると言います。私はヨガとアユルヴェーダで症状のない更年期を迎える事が目標なので、この本は最近の私のバイブルになっています。ホルモン・バランス、東洋医学とアユルヴェーダに興味のある方は必読です。


知人の体験談なのですが、彼女はある時期とても暗いところにいて、精神的に参っていた時がありました。その時期、ほとんどアパートから出ず、部屋の隅で一日中体育座りしていた時が半年位続いたそうです。これは危ないかもと思って病院に行き、そこで大泣きしたそうです。その場で精神科に送られました。精神科で診察を受けている時ふと、我に返ったそうです。次の日からジムに入会し、毎日ジムで身体をアクティブに動かして行くうち、夜も良い睡眠が取れるようになり、気分も向上してきたそうです。気分が晴れない時はまずはアクティブに身体を動かす事が効果的なんですよね。





しっかり身体を動かせば、夜も良い睡眠が取れます。怠惰になればなるほど、身体は重くなり、エネルギーが滞っているので心も沈みます。そして身体と心が重いから、余計に運動などはしたくない、日中動いていないので夜も寝付けないから変な疲れが溜まり、余計に身体も心も重くなると言う悪循環にはまってしまいます。質の良い睡眠はアユルヴェーダでも健康維持の重要要素です。


東洋医学でも病は気が滞る事で始まると言います。ヨガのポーズの練習の目的は体内の気、プラーナをフロー、流れさせていく事にあります。座業中心の現代人、適切な運動を継続しないと体内の生命気は滞るばかりです。私のempoweringな先生、シヴァ・レーが良くこう言います "寝ている方がマシなヨガの練習はしない方がいい。 プラーナ、気が全然動かないヨガの練習をするより寝ている方が良い。(寝てる分休めるから)ヨガクラスを教える時は必ず、生徒さんの体内のプラーナ、気を動かしてあげないと意味がない”。


私自身の実体験からこの事を良く身体で体感しています。エネルギーを動かさないヨガの練習は本当に不完全燃焼になり、逆効果になってしまいます。練習後、身体の中が気持ち悪くて、イライラが溜まってしまいます。身体を動かしていない、長時間の座業、陰の傾向が強い生活をしている時、陰ヨガの様な下半身を強化しない、動かさない練習をメインにしていると、余計にエネルギーは滞ってしまいます。
ヨガマットの上では脚を大地に力強く根付かせ、アクティブに動き、肺、心臓血管系を強くし、体内のプラーナが流れているのを感じたい。最後のリラクゼーションの時、なぜあれだけ気持ちが良いかと言うとそれはプラーナが身体全体に流れていいるからです。

逆にハードな肉体労働中心や働き過ぎの生活でのプラクティスとしては効果的だと思います。忙しく、アクティブすぎる生活をしている方は、全てをやり過ぎてしまうと生命力を消耗させてしまう陽ホルモンのバランスが崩れてしまうので、陰と陽のホルモンをバランスし、各人のライフスタイル、バランス良い食生活、状況に合った良い生活習慣とヨガプラクティスをしていく事が重要です。

注意しなければいけない点は各人の生活スタイルや心と身体が本当に必要としている正しい練習をしなければ行けないと言う事です。忙しすぎる人はさらにアクティブな運動ばかりをする事で生命力を消耗してしまうし、逆に身体を動かしていない生活習慣の人はアクティブに身体を鍛えてあげる事が必要です。アクティブな運動と生命力を養生する練習をバランスしていく事が鍵となります。

ヨガスポットではLunar Flow Yoga 月のフローヨガと言うプラーナフローヨガのプラクティスをオファーしています。(プラーナフローヨガでは陰と陽ではなく、太陽と月と言う言葉を使います)太陽の練習と比べて月、陰、静な要素のヨガの練習なのですが、いわいるポーズを長い間ホールドする"陰ヨガ"とは異なります。月の要素にチューニングしたシークエンスですが、そこには流れがあり、動きがあります。月のフローもプラーナを動かし、フローさせて行く事が目的です。3月に来日した、プラーナフローヨガのシニア・ティーチャー、サイモン・パークの月のフローヨガも立位のポーズを中心とした滑らかな、ソフトな、月 lunarな流れでした。





もちろん、風土や季節に合ったヨガのアサナ・ポーズの練習を取っていく事は重要です。太陽のパワーが増している春はアクティブな練習をしていく最適な季節です。その日の体調、気分によってヨガポーズの練習を自分に合わせて行く事も、ヨガを長く続けるキーポイントとなります。無理のあるヨガの練習で体を痛めるのではなく、バランスのとれたヨガの練習とは愛を持って体をケアーし、いたわる事だと考えます。

同時に、愛を持って身体をいたわり、ケアーする事とは今の自分が本当に必要としているメニューを練習する事です。面倒だから、動きたくないから、と言う理由で練習法を選ぶのではなく、今日の身体の進化、成長に繋がる方法を選ぶ事です。まずは今の自分に何が必要か?偽りなく感じ取る事から、意識の進化を意味するヴィンヤサの最初のステップであります。


イライラや不安感、"質の悪い陰”を溜め込まない事も健康維持には必要不可欠です。運動が健康維持にいかに重要かは明確です、身体を動かせば心も穏やかになります。

ヨガスポットのプログラム、ヴィンヤサヨガ、ハタフロー、ヨガベーシックス、ハタヨガ、ジェントルヨガ、
月のフローヨガ、メローフロー、リラックスフロー、シヴァナンダヨガ、は全て体内の生命の気、プラーナを効果的に流れさせていく、バランス良いプログラム内容です。ヨガスポットはスタッフ一同、皆様の心と身体の健康を向上させるヨガ・ライフを愛を持ってサポートいたします。ヨガマットの上で会いましょう。


私の1番好きなバガヴァッド・ギータのスートラです。


"ここにおいては、企てたことが消滅することなく、退転することもない。このヨーガの教法のごくわずかでも、大なる恐怖(輪廻)から人を救済する。"
バガヴァッド・ギータ2.40

"On this path no effort is wasted, no gain is ever reversed; even a little of this practice will shelter you from great sorrow."
Bhagavad Gita 2.40









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